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【シェアハウス編最終回】シェアハウスから卒業!未来を明るくするためには

2018.12.12


【コラム】読めば日本の未来が分かる!「エネルギー基本計画」に書いてあることとは?

シェアハウスを出て、明るい未来に向けて進み始めたえみりちゃん。これまでにエネルギーにまつわるさまざまな課題を教えてもらってきましたが、エネルギーに関する全ての政策の土台に、「エネルギー基本計画」というものがあることを知りました。エネルギー政策の中長期的な基本方針が示されているとのことですが、これはどういうことなのでしょうか。

そもそも、資源の少ない日本では、「安全性(Safety)」「エネルギーの安定供給(Energy Security)」「経済効率性(Economic efficiency)」「環境への適合(Environment)」という「S+3E」と呼ばれる観点から、エネルギーについて考えることが基本となっています。

「エネルギー基本計画」とは、こうしたエネルギー政策の基本方針に則り、エネルギー政策の基本的な方向性を示したものです。この基本計画は、「エネルギー政策基本法」に基づいて、少なくとも3年ごとに検討を加え、必要があれば変更されており、2018年7月3日には、「第5次エネルギー基本計画」が閣議決定されました。

この計画では、これまでの2030年時点における発電方法の組み合わせ(電源構成)などの、基本的な方針を堅持しつつ、情勢の変化を踏まえ、各施策を深く堀り下げ、強化していく方向性が示されています。

例えば、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、経済的な自立を前提として、長期安定的な主力電源として持続可能なものとなるよう、推進していくこととされています。また、原子力については、安全性の確保を大前提に、将来にわたる重要なベースロード電源として、位置付けられています。

2015年に決定された、将来のエネルギー需給構造の見通しを示した「長期エネルギー需給見通し」では、「S+3E」を同時に達成するため、バランスの取れた電源構成とする必要があるとされており、2030年度における電源構成を次のように示しています。

●2017年度と「長期エネルギー需給見通し」における電源構成の比較

2017年度と2030年度の電源構成グラフ
出典:電力広域的運営推進機関「平成30年度供給計画の取りまとめ」、経済産業省「長期エネルギー需給見通し」を基に作成 ※四捨五入の関係で合計が合わない場合があります

しかし、現在の進捗状況を振り返ってみると、まだまだ“道半ば”にあると言えるでしょう。そのため、実現に向けて、取り組みのさらなる強化を行うとされています。

さらに「第5次エネルギー基本計画」では、2050年を見据えた新たなエネルギー政策の方向性も示されており、野心的シナリオを複数用意した上で、あらゆる選択肢を追求することが方針として掲げられています。

電気は多くの人々の生活に必要となることから、これからの電力について、考えてみるのもいいのではないでしょうか。

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