あなたとエネルギーをつなぐ場所

先端科学技術を五感で体感できる日本科学未来館

2018.07.11
先端技術を人型ロボットや参加型展示、アートなどを通して体験できる日本科学未来館(東京都江東区)。常設展のほか、ユニークなテーマをもうけた企画展も開催している同施設を、流行に敏感な高橋晴香さんと菊原梨華さんがレポート。
 
新交通ゆりかもめテレコムセンター駅より徒歩4分、船の科学館駅より徒歩5分の場所に位置。「ここでしか体験できない乗り物があるんだって!」「楽しみ♪」と話す高橋晴香さん(右)と、菊原梨華さん(左)
 
今回、高橋さんと菊原さんが体験したのは地球や未来、世界をテーマにした常設展。そのなかでもロボットとの暮らしや空間情報など、近未来を想像することができる常設展を巡ることに。まずは、乗り物でもあり、ロボットでもあるような「UNI-CUB(ユニカブ)」にトライ!
 
「UNI-CUB(ユニカブ)」に乗って館内ツアー(1人¥700。別途、常設展のチケットが必要)。※1階「UNI-CUBステーション」カウンターにて要予約

 
2人の背景にある直径6mの地球ディスプレイ「ジオ・コスモス」は、未来館のシンボル展示。1000万画素を超える高解像度で、宇宙空間に輝く地球の姿をリアルに映し出す
 
人間の生活空間で活動することを想定した「Honda」の人型ロボットASIMOで培われた、バランス制御技術をもとに開発された1人乗りの移動支援機器「UNI-CUB」。座った状態で重心を軽く移動させるだけで、進行方向を変えたり前進することができる最新のパーソナルモビリティだ。「UNI-CUB」に乗りながら常設展を回る約30分のツアーと、「UNI-CUBステーション」内で乗るショート体験があり、2人はツアーに挑戦。約5分間の練習で乗り方をマスターした2人は早速ツアーに出発!
 
通常はスタッフさんを先頭に4名のグループで走行。連なる姿はまるでカルガモ親子のよう?

 
「わー、曲がれない…(笑)」と菊原さん。高橋さんと向かい合ってしまうハプニングが発生するも、スタッフさんの的確な誘導ですぐに解決!
 
世界で活躍する著名な科学者の名言や科学への想いを展示したエリアなどを鑑賞した2人。「30分のツアーはあっという間。ガイドさんによる解説もあるので、未来館初心者にはいいですね」と初体験に大満足な笑顔を見せた菊原さん。スイスイと「UNI-CUB」を乗りこなした高橋さんは、「電動なのに音もとっても静かでとても滑らかな動きをするので驚きました」と、最先端技術を支えるエネルギーの活用法に関心を持ったよう。
 
11:00、13:00 、14:00、16:00の 1日4回、各回約10分行われるASIMO実演
 
お辞儀をしたり、サッカーボールを蹴ったりと様々な動きを披露。「ASIMOみたいにかわいいロボットだったら一緒に暮らしたい(笑)」(高橋さん)
 
続いて、「UNI-CUB」の技術のもととなったASIMOの実演を見学。「みなさん、お待たせしました」と、登場するやいなや俊敏な走りを見せたASIMOの姿に「人間みたい!」と2人のテンションも急上昇!ステージの背景にあるジオ・コスモスの解説に加え、「ロボットとみなさんが一緒に暮らす未来についてお話しします」と、自身のテクノロジーの解説や、片足跳びなどを実演するASIMO。最後には歌声を披露し会場を盛り上げた。

平日は11:30のみ、土日祝は11:30と14:30の2回、アンドロイド技術を紹介する実演が行われる(各回約10分)
 
さらに、人間そっくりの見た目を持つアンドロイド、「オトナロイド」の展示コーナーでは、菊原さんがアンドロイドの司令塔になって、高橋さんとのコミュニケーションに挑戦。
 
「今からオトナロイドを動かすよ」と菊原さん

 
オトナロイドの動きに合わせてコミュニケーションを楽しむ高橋さん
 
小部屋に入った菊原さんがヘッドフォンを装着し目の前の画面を除くと、オトナロイドの前に座っている高橋さんの姿が。これは、菊原さんが装着したヘッドホンの頭頂部に設置されたカメラがアンドロイドの視点とリンクしていて、その景色が画面に映し出されているというもの。さらに、菊原さんが話す言葉はアンドロイドの発言として表現される仕組みになっている。
 

オトナロイドの動きを指示するボタンに気づいた菊原さん。「手を振ってみようかな…」とボタンを押すと、「オトナロイドが手を振ってるよ」と高橋さん。「すごい!私が動かしてるんだ!」と菊原さんもにっこり。「初めての体験が多すぎて驚くことばかり。未来ってすごい世界になるんでしょうね」(菊原さん)。
 
レストラン「Miraikan Kitchen」は、お台場の景色を一望できるテラス席がイチオシ



地球もなかソフトクリーム(バニラ¥380) と、緑の地球あんまん(¥280) 
 
ブレイクタイムは7階にあるレストラン「Miraikan Kitchen」へ。カレーやオムライスなどのほか、ここでしか味わえないグルメも。2人がオーダーしたのは宇宙から見た地球が描かれた、地球もなかソフトクリーム(バニラ¥380) と緑の地球あんまん(¥280)。「もなかの色がキレイで食べるのがもったいないな」と高橋さん。「あんまんの見た目はちょっとびっくりするけど、おいしい(笑)」と菊原さん。心地よい風が吹くなか、テラス席から望む景色とグルメを堪能した2人は、再び展示エリアへ。
 
室内を歩いた位置や行動などを情報として視覚化する“空間情報科学”を体験できる“アナグラのうた”の展示。入口で常設展チケットを機械に差し込むと、今展示のストーリーが表示され、約1000年後の世界へと誘う
 
2人が向かったのは、約1000年後の世界を舞台に、 “空間情報科学”を体感できる展示「アナグラのうた-消えた博士と残された装置-」。怪しげな名だが、この展示の舞台となる“アナグラ”は、空間情報科学の研究が行われていた場所という設定。博士たちが研究の末に完成させた5つの実験装置を巡り、その正体を解き明かそうというもの。
 
アナグラに入ると、謎の生命体(?)“ミー”が足元に出現!

 
それぞれの“ミー”が手を繋いだり、離れたりとユニークな演出が組み込まれている
 
機械に自分の名前を入力してアナグラに入ると、足元に円形をした謎の生き物“ミー”が出現。自分が動くとミーも動き、一緒にこのアナグラを旅する仲間となるのだ。アナグラに入った人々の足元にはそれぞれの“ミー”がいて、程よい距離感を保ったときに互いの“ミー”が手を繋ぐなど様々な動きを見せる。「なにこれ!スゴイ!」と、2人は想像を超える世界観に大騒ぎ!
 
博士たちが残した実験装置をチェック
 
個人情報を保護する装置や、アナグラの中を歩いた移動情報を計測するなど、4つの装置をチェックして、最後に“シアワセ”と名付けられた装置に向かうと、アナグラでの情報を共有するかを問う表示が。共有するというボタンを押してみると…
 
アナグラを旅した人へ送るメッセージが壁面に表示され、映像と共に歌となる。音楽と映像とエネルギーによる技術で、アナグラがダンスパーティのような空間に包まれる
 
アナグラを巡った菊原さんと高橋さんの空間情報をもとに構築されたメッセージが壁面に表示され、歌となりアナグラに共鳴しはじめた。「情報が歌になるなんて、想像もしてなかったからビックリ!みんなで情報を共有して豊かな未来を作るってことから、装置に『シアワセ』って名付けたのかな…」と、近未来体験を楽しんだ様子の菊原さん。映像による表現やデータを表示する元となる電力の大切さも同時に感じた2人。「表示されるメッセージは人によって異なるので、ぜひ体験してメッセージを受け取って」(高橋さん)
 
作品名:「マリア、人工生命、膜、魚」。マリア像の中には魚などの生き物たちの姿が描かれている。「いろんな科学技術を体験してきたけど、さらにアート作品にも触れられるなんて贅沢な展示ですね」と高橋さん
 
続いて、2018年6月20日からスタートした先端情報技術による表現の可能性を紹介する新展示エリア、メディアラボ第20期へ。人工知能の発達などにより生命と非生命の境界が不明瞭となるかもしれない未来を前に、アート作品を通して「生命とはなにか?」という問いに向き合う展示となっている。
 
1階にある「Miraikan Shop」は常設展チケットがなくても入店できる
 
最後に、おみやげグッズがそろうミュージアムショップ「Miraikan Shop」へ。ASIMOの置物をはじめ、宇宙やロボット、近未来をテーマにしたグッズがズラリ。
 
「ドロップ」(¥410) と「ミドリムシクッキー」(1箱5枚入り・¥463)は、どちらも未来館限定グッズ
 
菊原さんが選んだのは、デザインがキュートな「ドロップ」(¥410) と、人間に必要な栄養素が豊富に含まれるミドリムシ(学術名: ユーグレナ)が配合された「ミドリムシクッキー」(1箱5枚入り・¥463)。「どちらも未来館だけのオリジナルグッズ。ミドリムシクッキーはどんな味がするのかな…」(菊原さん)
 
オリジナルトートバッグ(¥2160)
 
高橋さんは、未来館のシンボルマークと展示アイコンをモチーフにしたオリジナルトートバッグ(¥2160)をセレクト。「A4サイズのノートが入る大きさで使い勝手も抜群。黒もあるよ」(高橋さん)
 
日本科学未来館を大満足したと話す菊原さんと、企画展にも参加してみたいという高橋さん
 
日本科学未来館で、近未来の世界を垣間見た高橋さんと菊原さん。
「UNI-CUBにASIMO、アンドロイドに感動しました。人と一緒に暮らすことを考えて作られたロボットはどこか愛らしくて(笑) 優れた技術とそれを支えるエネルギーによって活躍するロボットと、一緒に生活する日が楽しみ♪」と高橋さん
「科学や空間情報というと難しいイメージがあったけど、楽しみながら体感することができました」(菊原さん)
 
最後に今日のワクワク度を電力にかけて評価♪ テンションMAXを100ワットとするとどれくらい?
「企画展も参加してみたいので、期待を込めて80W!」(高橋さん)
「私は100W!! 帰りにいろんな場所に立ち寄れるお台場というエリアも◎です!」(菊原さん)
館内には、展示を知り尽くした科学コミュニケーターが複数常駐しているので、わからないことを気軽に質問できるのも好ポイント。日本科学未来館で楽しみながら近未来を体感しよう!
 
指標:10W=★/最大100W
高橋さん………★★★★★★★★
菊原さん………★★★★★★★★★★

レポーター