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「町に灯る生活の明かりを守りたい」四国電力・植田有希子さん

2018.11.29

【今月の密着人】四国電力株式会社 送配電カンパニー 徳島支社 ネットワークサービス部 配電計画課 植田有希子さん(27歳)

私たちの暮らしに欠かせないエネルギー。便利な暮らしを支えてくれるエネルギー業界の現場では、女性も重要な戦力として活躍しています。彼女たちがどんな仕事をしているのか、どんな思いを持っているのか、その仕事ぶりにスポットを当てます。プライベートとのギャップにも注目!


お客さまに頼られる“よんでん”さんとしての自覚

約400年の歴史を誇る伝統芸能「阿波おどり」で有名な徳島県徳島市。市内中心部に位置する徳島駅から歩いてすぐの場所にあるのが、四国電力徳島支社だ。地域に根差し、電気を安定的に届けることで町の生活を支えてきた存在として、地元では「“よんでん”さん」と呼ばれ親しまれている。

今回密着した植田有希子さんは、そんな四国電力に入社して5年目。徳島に配属後、4年間の教育期間を経て、2018年4月から配電計画課(設備計画)の所属となった。明るくハツラツとして好感が持てる人柄は、初対面でも親しみやすさを感じさせる。


女性でも働きやすい環境が整い、活躍の場があることが四国電力の魅力だと話す植田さん

香川で生まれ育ち、京都の大学に進学した植田さん。工学部で電気を専攻し、知識と技術を培って四国へ戻って来た。

植田さん「元々は家電の開発者を目指していたのですが、徐々に電気そのものに興味が移って。卒業後は大学院で研究を深めるよりも、『学んだことをできるだけ早く社会で生かしたい』と思い、四国電力を志望しました」


電柱や電線など電気を送るために欠かせない設備の運用や保守に携わっている

Uターン就職にこだわりはなかったものの、縁あって地元・四国の企業である同社に入社。入ってからすぐに気付いたことがあるという。

植田さん「お客さまに電気をお届けする電力会社の仕事って、誰かの役に立てる、人に感謝される仕事なんですよね。そう思うと、この仕事に就いて良かったと感じています」

生活に必要不可欠な電気を確実に届ける

発電所で作られた電気は、送電線に送られ、変電所などで段階的に電圧を下げたのち配電線を経由して、各家庭や企業などへ届けられる。植田さんは、その張り巡らされた配電線をはじめとする配電設備の運用や保守といった業務を現在担当している。

植田さん「日々、電気を安定してお届けできるよう努めています。例えば、大量の電気を必要とする工場などの施設ができると、そこへつながる配電線は今まで以上に多くの電気を送れるよう、太い配電線に張り替えるなどの対策が必要になります。そういった状況を先読みし、対応しています」

24時間365日必要とされる電気を送り続けるためには、夜間・休日の当直勤務も行う。

植田さん「普段はデスクワークがメインですが、当直の時は、停電している現場に出向き、その原因や停電箇所を特定して復旧作業を行うこともあります。復旧が完了すると大きな達成感がありますし、『直してくれて助かったよ』と直接感謝の言葉を掛けていただけると、とてもうれしいです」


電線が切れている、何か絡まっているとなると、高所作業車という特殊自動車で出動することもある


感電から身を守る装備と柱上安全帯(ベルト)を身に着け、電柱に昇ることも。工具を使い単独作業でヒューズを取り替える

一方、最近では太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電気を既存の配電線に接続するための申し込みが増加しており、現在、植田さんは主に、それらの発電設備を配電線につないでも安定供給に支障がないかなどを検討する業務を受け持っている。

植田さん「近年は太陽光発電設備の接続申し込みが本当に多いです。実際にきちんとつなげられるのか、つなぐことで電気の流れに異常が出ないかなど、あらゆる状況をシミュレーションしながら検討しています」

さらに、台風や豪雨などで停電が発生した際の被害状況の取りまとめや、大規模災害時における復旧のための応援要請に対する派遣準備なども植田さんの仕事の範疇だという。

植田さん「例えば、災害時の対応であれば、素早く的確な段取りを行ってサポートするよう心掛けています。こうした有事の場合、基本的に私自身が現場に赴くことはありませんが、とても大切な役割を担っていると感じています」


現在は当直を除くと、現場作業よりもデスクワークがメイン。コンピュータ上で膨大なデータを管理している

生活する人々に最も近く、電力供給の最前線で活躍する配電部門。一見何の変哲もない町並みも、植田さんの目には特別に映る。

植田さん「電気自体は目には見えないものですが、電柱や電線など、自分が設計や運用面で携わった仕事が、設備という目に見える形となって残っていくところにやりがいを感じています。なので、町中で自分が携わった設備を見るとうれしいです。分譲地を手掛けたときには、何も無かった場所に家が建ち、電柱が建ち……。全てが整って生活の明かりを目にした時、何とも言えない感動を覚えました」


大変な使命を抱えながら、確かな手応えを感じられることがやりがいにつながっていると話す

積極的なチャレンジで技術系女性社員のパイオニアに

現在の業務に就いてからはまだ半年の植田さん。まだまだ分からないことも多いという。

植田さん「今はとにかく知識不足を痛感する日々。先輩や上司に相談すると、もっと良い案がどんどん出てきて……。早く自分一人でも効率的かつ効果的な配電設備を計画・設計できるようになりたいです。でも、単純にマニュアルを覚えれば良いということでもなくて。やはり経験に勝るものはないと感じる部分も多いので、実践しながら学んでいきたいと思っています。そうして配電部門の業務全般に精通し、誰からも頼りにされる存在になりたいですね」

将来は、配電部門のエキスパートを目指すのだろうか。

植田さん「そういう道もあると思いますが、私はいろいろなことをやってみたいタイプなので(笑)。さまざまな部署の仕事を経験して、総合的に何でもできるマルチな人になりたいです」


勉強熱心で好奇心旺盛。男性が多い職場でも臆することなく、生き生きと存在感を放っている

仕事に対し貪欲で、アグレッシブな植田さん。プライベートでも、アクティブ全開だ。

植田さん「初めてのボーナスでカメラを買い、時間ができると美しい風景を求めて旅に出るのが趣味になりました。あと、昨年からスキューバダイビングを始めて、月1~2回は四国の海に潜っています。基本的に体験したことのないものに挑戦するのが好きで、いろいろ経験しています(笑)」

週末にはテニススクールに通い、春と秋には登山、冬にはスノーボードを楽しむそう。自然の中で体を動かし、心身共にリフレッシュしているのだ。


季節を問わずスキューバダイビングを満喫しているそう。オーストラリアでウミガメと泳いだのも良い思い出

社内では数少ない技術系の女性社員として活躍する植田さん。これからも自分の手で未来を切り開いていきたいと、目を輝かせる。

植田さん「女性でも活躍できる場所があることを、身をもって示したいですね。もし本当にやってみたいと思う人がいるなら、諦めないで挑戦してほしい。その背中を押せるような活躍をしていきたいと思っています。大げさかもしれませんが、技術系女性社員のパイオニア的存在になることが目標です」

★植田有希子さんプロフィール

年齢 

27歳

星座・血液型

魚座・A型

趣味

旅行・スキューバダイビング・硬式テニス

好きな食べ物

たこ焼き・水餃子・ぶどう

好きな飲み物

Japanese SAKE

好きな歌手

コブクロ

好きな芸能人

石原さとみ