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「目指すは年間優勝!仕事と卓球を両立できる環境に感謝」中国電力・土`田美佳さん

2019.11.25

【今月の密着人】中国電力株式会社 販売事業本部 販売総括グループ 土`田美佳(つちだみか)さん(25歳)

中国電力本社の販売事業本部で働く土`田美佳さん(※正しくは、土の右上に点)。一方、彼女は卓球選手としての顔も持ち、中国電力女子卓球部の主将を務めている。その活躍は目覚ましく、2019年9月に行われた第53回全日本社会人卓球選手権大会では、女子ダブルスで見事優勝を果たした。まさに二足のわらじをはく、エネルギッシュな彼女の仕事ぶりに迫る。


同僚をサポート! 誰かの役に立つことはうれしい

今回密着したのは、中国電力に入社して8年目となる土`田美佳さん。入社後しばらくは広島営業所で電気料金の請求関係の業務などに従事し、2年半前に現在勤める本社へ異動。電力の販売などを行う販売事業本部に所属している。

土`田さんは業務に関する規程やマニュアル類、および社内ホームページや教育用コンテンツの更新整備を担っている。状況の変化に応じて適宜内容の充実を図り、速やかに社内関係箇所へ周知するのだ。

土`田さん「初めて教育用コンテンツの作成業務を任されたときは、不慣れな中で四苦八苦しながらも一生懸命に対応したところ、終わったら『助かったよ、ありがとう』と、お礼を言ってもらったんです。そのときはとても充実感を得ましたし、誰かの役に立てる大切な仕事なのだと感じました。このことが今のモチベーションになっています」

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職場ではデスクワークが中心。販売事業本部の社員が円滑に業務を遂行するための、重要な役割を果たしている

また、販売事業本部が行う社員研修のサポートも重要な業務。新入社員研修をはじめ、リーダー候補となる女性社員を対象とした女性活躍推進研修、副長や課長を対象とした管理職研修、専門知識・スキルの習得を図る業務研修など、さまざまな研修が随時行われている。

土`田さん「私は研修事務局として、教材の準備や当日の司会などの運営を行っています。特に印象的だったのが、販売事業本部社員を対象とした災害時対応の研修。災害時は部門を問わず、誰もがお客さま対応の応援に回らなければならないので、その際に使用するシステムの使い方などを習得する必要があります。2年前からスタートした研修なのですが、その後西日本に大きな被害をもたらした2018年7月豪雨災害の際には、多くの社員が応援でお客さま対応を行い、研修で学んだことを活かすことができました。私は研修の運営をサポートしたのですが、間接的にでも地域のお役に立てて良かったと感じました」

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「もっと理解を深め、できることをどんどん増やして、同僚から頼られる存在になりたい」と仕事に意欲をもって取り組んでいる

 

チーム一丸に! 目指すは日本卓球リーグ年間チャンピオン

冒頭でも紹介した通り、土`田さんは中国電力でもう一つ重要な役割を持っている。女子卓球部の主将としてチームを勝利に導くことだ。

1991年に創部した中国電力女子卓球部。日本卓球リーグ1部に所属し、「2018年度 後期日本卓球リーグ」では悲願の初優勝を果たすとともに、その後の「内閣総理大臣杯 日本卓球リーグプレーオフ JTTLファイナル4」では創部以来初となる年間総合優勝を達成。

2019年は、10月に開催された「2019年全日本卓球選手権大会(団体の部)」で3年ぶり3回目の優勝、10~11月に開催された「2019年度 後期日本卓球リーグ」で全勝優勝を果たすなど、いま躍進する強豪チームである。

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中国電力の練習場には創部から今までの歩みがまとめられた年表が。日本卓球リーグ1部優勝やオリンピック選手の輩出など、女子卓球部28年の歴史と華々しい成績が刻まれている

土`田さんは和歌山県出身。父方の祖父母と両親、姉も含めて皆が卓球をしているという卓球一家に生まれ、彼女も当然のように3歳から卓球を始めた。

当初は卓球選手を目指していたわけではなかったそうだが、小学校4年生で初めて全国大会優勝を飾ったことを機に、卓球熱が本格化。中学校から卓球の強豪校である高知県・明徳義塾へ進学し、高校卒業後は中国電力に入社した。

土`田さん「先に姉が入社していたことや、中国電力に入社した高校の先輩がいたことから、ここなら安心して仕事と卓球を両立できると考えて志望しました。会社の業務に携わりながら日本トップレベルの環境で卓球ができる。さらに引退後も社員として働けるというのは、卓球選手として他にはない贅沢な環境だと思います」

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小学校4年生のときに火がついて以来、卓球一筋。選手としての最適な環境を考えた結果、中国電力への就職を選んだ

普段は、平日の8時50分から15時までは会社の業務に従事し、その後、一度帰宅してから練習場へと移動。16時から19時まで卓球の練習に励んでいる。そして土曜日は9時から17時まで、一日中練習に明け暮れているという。

土`田さん「ありがたいことに、本当に理解ある職場で常に卓球との兼ね合いを考えて、私の業務量を調整してもらっています。大会の10日前からは強化合宿に入って一日中練習に打ち込ませてもらえますし、試合直後は私のコンディションを見つつ、少しずつ仕事を任せてくれています」

年間では、全日本選手権や、日本卓球リーグなどの8回の大きな大会のほか、その前後にある大会にも出場している。それだけの試合に参戦しながらも、土`田さんを含む女子卓球部部員6名は、その全員が仕事との両立を実現している。

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この日の練習は、1対1で70分の打ち込み、20分休憩した後、1対2で70分の打ち込み、とかなりハードに続く

目下、チーム最大の目標は、今年も日本卓球リーグで年間チャンピオンになること。日々とてつもないプレッシャーを背負いながら戦っていることは想像に難くないが、その一方で「楽しむ」ことを大切にしているのだとか。

土`田さん「緊張やプレッシャーは常にあります。でも、『楽しむ』ということも大事だとチーム内で話しています。しんどいときこそ笑顔。私個人のモットーも楽しくプレーすることです」

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緊張感に包まれた厳しい練習の合間にも、積極的に声を掛け合い、時には笑顔がこぼれるシーンも

そのせいか、周囲に中国電力女子卓球部のイメージを聞くと、「明るい」「ポジティブ」「仲が良い」といった声が多く寄せられる。

もちろん、チームとして試合に勝つために、対戦相手の試合を分析し、対策を立て、戦術を練ることを怠ることはない。しかしその上で、土`田主将を筆頭に醸し出されるポジティブなエネルギーも、勝利への重要な鍵となっているのだろう。

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休憩中や練習後の談笑からチームの雰囲気の良さがうかがえる。つい先日は、全員で四国へ旅行に行ったそう

 

社員が、地域の人々が、仲間として応援してくれるから頑張れる

仕事と卓球の両立は、決してたやすいことではない。しかしその分、喜びも大きいという。

土`田さん「全国大会でベスト4以上の成績をおさめると、社長と役員に報告に行かせてもらいます。やはり会社のトップの方々に直接労ってもらえるのは、会社員としての大きな喜びですね。タイミングが合わず、なかなか会えなかったときには、『報告に来てくれるのを楽しみに待っていたのに…』と仰ってくださり、うれしいやら申し訳ないやらで(苦笑)」

また、仕事で直接関わり合いのない他の社員から声を掛けられることも珍しくないそうだ。

土`田さん「試合後すぐに『おめでとう』と連絡をくださる方もいますし、翌日の新聞で結果を見て『良かったね』と言ってくださる方も多いです。日常で最も身近な存在である職場の方々が、すぐそばで応援してくださることは大きな励みになりますし、『皆さんに喜んでもらいたい!』という思いは、何よりのエネルギーになっています」

中国電力女子卓球部部員は一人の社員として業務にも深く関わる。普段から職場でも頑張る彼女たちが試合に臨むとなれば、周囲も同じ会社の仲間として熱い声援を送れるというもの。実によい関係が築かれているのだ。

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地域に根差す電力会社の社員として、卓球を通じた地域貢献活動にもチームを挙げて取り組んでいる

また、中国電力女子卓球部は、地域貢献にも力を注いでいる。仕事と大会の合間を縫って年に7回ほど開催している卓球教室だ。その際には、選手6名に加え、卓球部OGも協力して、中国地方5県のさまざまな場所を訪ねているという。

土`田さん「小学生から大人まで、初心者も経験者も関係なく参加いただいています。地域の方々に喜んでいただくことが最大の目的ですが、卓球教室で出会った子どもたちが私たちの試合を見に来てくれることもありますし、時には中国地方の大会で対戦することもあります。地域とのつながりができるきっかけになっていますね」

社員はもちろん、地域の人々にも身近な存在として愛され、応援されることが、中国電力女子卓球部のパワーの源となっていることは間違いない。

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休日は野球観戦でリフレッシュ。広島への転居を機に、一気にカープ女子へと変貌したのだとか。田中広輔選手の大ファンで、土`田さんが日本リーグの試合で着用する背番号も同じ「2」

これからも、「卓球はやれるまでやりきりたい」と土`田さんは言う。

土`田さん「支えていただいている皆さんには本当に感謝しています。だから今は、卓球で結果を出すことが何よりの恩返しだと思って、まだまだ頑張りたいですね。そして、引退後は一会社員として再スタートしたいです。そこからは、今以上に仕事をしっかりと行うことで、会社に恩返しをしていきたいと考えています」