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お土産セットで四国一周気分! 4県が一つになる「四国家」プロジェクトに期待大

2021.06.04

四国家 故郷のものがたりとぽんちゃん

「電力会社」と聞いて思い浮かぶのは、「電気を作り、届ける」こと。でも実は、地域の役に立つため、環境のためなど、他にもさまざまな活動をしているのをご存じでしょうか。今回注目したのは、四国電力が地域と協力して進めている「四国家(しこくけ)」のプロジェクト。四国4県が一つの家族となって、四国の魅力を全国に届けています。


四国の“おいしい”がワンセットに!

瀬戸内に浮かぶ島々が織りなす美しい海景、88カ所の霊場を巡るお遍路、スダチにうどん、ミカンにカツオと聞いて思いつくのはそう、四国。

徳島県、香川県、愛媛県、高知県それぞれに、雄大な自然と古くから大切にされてきた文化、海の幸と山の幸にあふれた、一度は行ってみたい場所でしょう。

そんなエリアで、「行きたくても、行けないっ!」というこのご時世に誕生したのが、四国4県のお土産をまとめた「四国家 故郷(さと)のものがたり」です。

「しこくたぬきのぽんちゃんが、四国遍路で見つけた良いものをおすそ分けする」というコンセプトのもと、あるテーマに合った逸品を四国4県から1つずつセレクトしたセットになっています。

実はこの商品、四国電力をはじめ、四国に根差した企業が協同で販売しているもの。

2020年10月の第1弾発売以来、
「四国が一つに詰まっていて良い。また買いたいです!」
「自分では買わないようなものも試せて良かった」
「コロナ禍で旅行ができないので、今後のシリーズも期待しています!」
「ぽんちゃんに惹かれました!」
といった反響が寄せられ、およそ半年で第5弾まで発売。第4弾までは既に完売するほどの人気ぶりです。

四国家 故郷のものがたり
2021年4月に発売された第5弾セット。オリジナル巾着袋入りで価格は2052円(税込)

2021年4月に発売された第5弾のテーマは、家呑みに最適な「お酒のお供」。各県から下の4商品がセレクトされました。

【徳島県】
「国産 寒さば 木頭ゆず味噌煮」(黄金の村)/木頭ゆずと寒サバを味噌でじっくり煮込んだ缶詰

【香川県】
「香川県産しょうゆ豆」(黒川加工食品)/そら豆と香川本鷹唐辛子を秘伝の甘辛タレに漬け込んだ豆

【愛媛県】
「ポリポーリ(鯛)」(別子飴本舗)/ブランド里芋・伊予美人と宇和海産の真鯛を練りこんだ甘くないかりんとう

【高知県】
「室戸のこだわりおでん」(山本かまぼこ店)/地産野菜で作った昭和風の懐かしい味わいおでん

四国各県の空港や駅などの売店のほか、オンラインショップでも買うことができるので、たとえ現地に行けなくても四国グルメをまとめて楽しむことができます。

そんな四国の“おいしい”をまとめたお取り寄せが、もう一つ。それは2021年3月に発売された、日本酒の家呑みセット「四国銘酒88 おへんろ絵巻」です。

全国的に有名な銘柄から、めったにお目にかかれない銘柄まで、四国の地酒88種類がなんと一つのセットに!

四国銘酒88 おへんろ絵巻
お遍路をイメージした特製イラストラベルは、眺めるだけでも楽しい。1000セット限定。1本300ml×88本で価格は8万8000円(※販売受付終了)

四国4県の50の酒蔵からこれだけの銘柄が一つの商品として集まるのは初めてで、毎月8本ずつを11カ月にわたって届けてくれるという、お酒好きには垂涎ものの地酒セットになっています。

参加した酒蔵の一つ、西野金陵 多度津工場 工場長 前田良平さんは、「こうした取り組みを四国の酒蔵が一緒にするのは初めてではないでしょうか。コラボすることで新しい客層を広げていけるのでは」と、同商品に期待しています。

また、「四国銘酒88 おへんろ絵巻」の売り上げの一部は、お遍路で巡る四国八十八ヶ所霊場の世界遺産登録に役立ててもらうために寄付されます。

「外出が制限されることが多い中、心の余裕を持つひとときの一品としてお求めいただければうれしいです。少しでも四国の酒に興味を持っていただき、さらには四国遍路世界遺産登録に関心を持っていただきたいです」と、本家松浦酒造場 蔵元 松浦素子さん。

日本酒とお酒のお供で“家呑みお遍路”なんて、この機会にしかできない楽しみ方かもしれません。


四国4県が一つの家族になります

前述のお土産セットの名前にある「四国家」とは、四国4県を一つの家族と思い、“家族みんなで家を盛り上げていこうよ”というメッセージが込められています。

四国家の誕生は、長年地域を支えてきた3つの会社が手を取り合ったのがきっかけでした。

2017年に四国旅客鉄道株式会社(以下、JR四国)と日本郵便株式会社 四国支社(以下、日本郵便四国支社)が、翌年に四国電力株式会社(以下、四国電力)が加わり、地域の活性化を目指して3社連携協定を締結。

「四国家 故郷のものがたり」も、そんな3社が試行錯誤しながら地域と共に作り上げたプロジェクトの一つです。

連携プロジェクトを担当する四国電力の篠川吉宏さんは、「セットに入れる商品は公募しているので、たくさんのおいしいものが四国中から集まります。一つ一つ試食しながら、『これとこれを組み合わせたらおいしい』『こんなシチュエーションで食べるといいんじゃない』というふうに、作り手と購入される方々の顔を思いながら考えています。私は愛媛県出身ですが、まったく知らなかった地元のグルメに出合うことも。毎回、驚きの連続です」と、四国家によって地元の魅力を再発見しているといいます。

四国電力・篠川吉宏さん
商品選定には、「四国ツーリズム創造機構さんや四国経済連合会さんなどにも試食してもらってます」と四国電力の篠川さん

四国全域を盛り上げるという壮大な連携協定ですが、実際にプロジェクトを動かしている事務局では、篠川さんを含め20代の若い世代が活躍しています。

数年前まで県外で学生時代を過ごしていた若い世代のアイデアを取り入れることで、良い意味で“四国っぽさがない”のも魅力の一つに。

「『故郷のものがたり』はとても好評なので、今後は販売数や販売店を増やしていきたいです!」と篠川さん。今後も楽しみです。

ちなみに、お土産セットの巾着袋に描かれているのは、四国家のマスコットキャラクター「しこくたぬきのぽんちゃん」。全国的にはあまり馴染みがないかもしれませんが、タヌキは四国に縁の深い動物だそうです。

しこくたぬきのぽんちゃん
「故郷のものがたり」公式キャラクターのぽんちゃん。目指すは四国の顔!

 

四国家の家族を全力サポート!

3社連携で進めているプロジェクトは、地元の子どもたちの郷土愛を育むための親子体験ツアーなど、他にもまだまだあります。

中でも「お弁当マルシェ」は、コロナ禍で厳しい状況に追い込まれた飲食店の大きな助けとなりました。

JR四国と日本郵便四国支社が弁当の運搬を担い、四国電力が仕分け場所や机など販売に必要な備品を提供。日中の人通りが少ない街にある飲食店が、費用負担を軽くしながらビジネス街である高松市内で弁当販売をできるようにしました。

お弁当マルシェ
坂出市から4店舗、さぬき市から10店舗が参加した「お弁当マルシェ」

また、コロナへの対応に長らく尽力している医療従事者のために親子イベントも開催。わずかでも子どもとすごせる時間を、と竹食器作りやボルダリングの体験ツアーを行っています。

こうしたプロジェクトを積極的に行っているのは、3社ともが地域と深いかかわりを持つ会社だからです。

これまでの3社連携プロジェクトについて、日本郵便四国支社で担当する田處(たどころ)正直さんは、「各社がそれぞれの強みを生かし、協力して地域活性につながる事業を実現することができました。一緒に進めてきたチームには、3社のメンバーで構成されているとは思えないほどの一体感を感じています」と、前進している喜びを実感しているといいます。

親子体験ツアーの分水第一発電所見学
親子体験ツアーで実施した「分水第一発電所」(高知県)の見学。「普段は入れない場所に入れた」と好評だった

そして、この規模をさらに大きく広げていこうと、2021年3月に24の企業・団体によって「四国家サポーターズクラブ」が設立されました。

もともと個々のプロジェクトには3社以外に地域の会社も参加していましたが、これからは四国4県が一つの看板を掲げて邁進していこうとなったのです。

前述した日本酒セットは、四国家サポーターズクラブ設立後に初めて支援して販売された商品。各社が広報面などで協力しています。

“四国家”が四国全域へと広がっていく今後について、JR四国の竹安華穂さんは、「仲間(家族)を増やしながら、地域色を生かしたもの、子どもや若者に郷土愛を感じてもらえるものなど、地元に小さくとも希望の光を感じていただけるような取り組みをコンスタントに実現していきたいです」と、近い将来を見据えた目標を教えてくれました。

会社の新事業といえば、普通は収益性を問われるもの。でも、このプロジェクトでは、まずは地域との共生が念頭にあるといいます。

「各社の利益ばかりが頭にあっては、地域共生の活動はできません。弊社を含め、JR四国さんも日本郵便四国支社さんも、元気な四国あっての会社。なので、まずは地域共生なんです」と、四国電力の篠川さんは力強く言います。

今後、四国家サポーターズクラブは、新たな家族を交え、まずはこれまでのプロジェクトをブラッシュアップしていきます。さらに、地域の小さなお祭りを観光資源化するといった新プロジェクトにも取り組んでいく予定です。

“家族”には知られざる魅力の再発見を、“お客さま”にはおいしさや面白さの発見を。その先には、移住やワーケーションで四国家の住人をどんどん増やしていくといった大きな夢も描いています。

お土産や地酒を楽しみながら、四国のこれからを一緒に応援してみるものいいかもしれませんね。


■DATA

四国家サポーターズクラブ

四国家サポーターズクラブ

問い合わせ:四国電力株式会社
URL:https://www.yonden.co.jp/cnt_shikokuke/index.html

■四国家 故郷のものがたり
URL:https://459satomono.thebase.in/

■四国銘酒88 おへんろ絵巻(四国遍路世界遺産登録祈願プロジェクト)
URL:https://www.shikoku88knot.net/

■しこくたぬきのぽんちゃんSNS
Twitter:@sper_ponchan
Instagram:@sper_ponchan

■電気事業連合会ホームページ「地域共生への取り組み」
URL:https://www.fepc.or.jp/sp/social/