冷凍食品×電子レンジでもっと手軽に!冷凍食品マイスターに聞く、毎日のごはん作りをラクにするコツ

2026.07.21

仕事や家事に追われる日々の中で、毎日のごはん作りが大きな負担になることも……。そんなときに頼りになるのが、身近な冷凍食品と電子レンジです。今回は、これまでに3万食以上の冷凍食品を食し、メディアでも活躍中の冷凍食品マイスター・電子レンジ料理研究家のタケムラダイさんに、冷凍食品の上手な選び方やストック術、電子レンジでおいしく仕上げるコツをうかがいました。

 

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冷凍食品マイスター・電子レンジ料理研究家のタケムラダイさん

 

生の野菜より栄養価が高いことも!? 冷凍野菜の意外なメリット

――はじめに、タケムラさんの活動内容について教えてください。

冷凍食品マイスター、電子レンジ料理研究家として、商品の開発や監修、メディアでの情報発信、企業向けのコンサルティングなどを行っています。これまでに食べた冷凍食品は、通算3万食以上になります。

実は、僕が冷凍食品を日常的に食べるようになったのは28歳の時でした。それまでは「冷凍食品=おいしくないもの」という固定観念があったのですが、深夜まで働く日々の中で試しに食べてみたところ、そのおいしさと手軽さに衝撃を受けました。以来、20年以上にわたって毎日欠かさず食べ続けています。

 

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手軽で便利なうえ、おいしさも進化している冷凍食品。近年はスーパーやコンビニでも売り場が広がっている(画像素材 / PIXTA)

 

――家事や仕事で忙しい方にとって、冷凍食品や電子レンジ調理を活用するメリットはどこにあると思われますか。

冷凍食品の大きなメリットは、手軽さと保存性の高さです。同じ「手軽なごはん」としてコンビニ弁当と比べられることもありますが、マイナス18度以下で保存する冷凍食品は、保存料を使う必要がほとんどないのも特徴です。また、冷凍野菜などは必要な分だけ使えるため、生鮮野菜を使い切れずに傷ませてしまうリスクを減らせます。食品ロスを抑えやすく、家計面でもメリットがあります。

そこに電子レンジ調理を組み合わせることで、調理中にキッチンを離れられる時間も生まれます。鍋やフライパンを使う調理は基本的に目を離せませんが、電子レンジならボタンを押した後、キッチンに立ち続ける必要がありません。その数分間で別の家事を進めたり、一息ついたりできます。調理器具が少なく済むので洗い物も減らせますし、火を使わないのでキッチンに熱気がこもりにくく、暑い時期の調理負担を減らせるのもメリットです。

 

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電子レンジを活用すれば、調理の手間や洗い物を減らしやすく、忙しい日の食事づくりにも便利(画像素材 / PIXTA)

 

――冷凍野菜を取り入れる際、「生鮮野菜より栄養が落ちてしまうのでは」と気になる方もいるかもしれません。実際のところはいかがでしょうか。

冷凍野菜の多くは、「ブランチング加工」という加熱処理を経て一気に急速冷凍するため、栄養素の減少を抑えながら閉じ込めることができます。一方で、生鮮野菜は、収穫から店頭に並ぶまでに時間がかかると、栄養価が低下することがあります。そのため、保存状態や流通にかかる時間によっては、生鮮野菜よりも冷凍野菜の方が栄養価が高いこともあるんですよ。

 

――冷凍によって、栄養価を保ちやすいというメリットもあるのですね。タケムラさんが特に注目している冷凍野菜はありますか。

冷凍と相性がいい食材の一つが、キノコ類です。キノコは冷凍することで細胞が壊れ、うま味が出やすくなったり、味が染み込みやすくなったりします。最近では、カット済みでそのまま使える冷凍のエリンギやしめじなども登場しています。調理の手間を減らしながら、料理のおいしさも引き出してくれる便利な食材だと思います。

 

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冷凍キノコはうま味が出やすく、味も染み込みやすい。家庭で冷凍しておくほか、カット済みの市販品を活用するのも便利(画像素材 / PIXTA)

 

献立の悩みを減らす「主食・主菜・副菜」の冷凍ストック術

――献立に冷凍食品を取り入れるなら、どんな視点で選ぶのがよいでしょうか。

日々の食事の組み立てをラクにするために、「主食」「主菜」「副菜」の3つのカテゴリーを意識して揃えることをおすすめしています。主食ならチャーハン、パスタ、うどん。主菜なら唐揚げ、ハンバーグ、お魚料理、揚げ物など。副菜であればブロッコリーやほうれん草、枝豆などです。

この3つを冷凍庫に数種類ずつストックしておくと、組み合わせるだけで1食を用意しやすくなります。もちろん、すべてを冷凍食品にする必要はありません。どれか1品取り入れるだけでも、日々の食事づくりの負担を軽くできます。

たとえば、忙しい日なら次のような組み合わせがあります。
 

●5分以内ですぐに作れる「時短の王道パターン」
【主食】冷凍チャーハン
【主菜】冷凍唐揚げ
【副菜】冷凍ブロッコリー

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●健康や体づくりを意識した「栄養重視パターン」
【主食】冷凍うどん
【主菜】サラダチキン
【副菜】冷凍ほうれん草

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●大人も子どもも大満足「家族向けパターン」
【主食】冷凍パスタ
【主菜】冷凍ハンバーグ
【副菜】冷凍枝豆

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――最近は、健康を意識した冷凍食品も増えているようですね。

近年は、たんぱく質をしっかり摂れる商品や、栄養バランスに配慮した商品など、ヘルスケアを意識した冷凍食品が充実しています。たとえば、ブロッコリーと鶏肉を組み合わせた商品は、手軽にたんぱく質や野菜を取り入れやすいため、筋トレやダイエットをしている方にも活用しやすいと思います。

今は、ただ「時短のために買う」のではなく、自分の生活スタイルや目的に合わせて冷凍食品を選べる時代です。忙しい日の食事を助けてくれるもの、栄養バランスを整えやすいもの、家族で食べやすいものなど、ご自身の暮らしに合う商品を選ぶ視点を持つと、より取り入れやすくなると思います。

 

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冷凍食品や電子レンジを上手に活用することで、食事づくりの負担を減らし、食卓を楽しむゆとりも生まれる(画像素材 / PIXTA)

 

加熱ムラやラップの疑問をスッキリ解決!冷凍食品をおいしく仕上げる方法

――冷凍食品を電子レンジでおいしく仕上げるコツはありますか。

基本的なことですが、「パッケージの表示時間通りに加熱する」ことが大切です。パッケージの記載を確認せずにレンジの「おまかせ自動ボタン」を使ってしまう方もいますが、表示時間はメーカーが何度も検証を重ねて導き出したものです。まずは記載通りに加熱してみてください。

ただ、電子レンジの性能や食品の状態によっては、中心部が冷たいといった加熱ムラが起きることもあります。そんなときにおすすめなのが「置き蒸らし」です。加熱後、すぐにレンジから出さず、30秒から1分ほど庫内に置いておくと、余熱で温度が均一になり、おいしく仕上がりやすくなります。

 

――電子レンジを使うとき、ラップを「かけるか、かけないか」で迷ってしまうのですが、判断基準を教えてください。

まず、冷凍食品の場合はパッケージの記載に従うのが基本です。そのうえで、電子レンジ調理全般に共通する考え方として、ラップには飛び跳ねを防ぐ役割があります。特にカレーやミートソースのように粘度の高いものは、加熱中に内部の圧力が高まり、突沸して飛び散ることがあるため、ラップをかけた方が安心です。

 

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カレーやミートソースなどは飛び散りやすいため、ラップをかけて温めると安心(画像素材 / PIXTA)

 

調理の仕上がりという視点では、乾燥を防ぎたい料理はしっかりラップをかけ、蒸気を逃がしたい料理はラップをかけない、またはふんわりかけるのがポイントです。

たとえば、パッケージに「ラップをかけずに加熱してください」と記載されている冷凍チャーハンは、その通りに加熱すると水分が飛び、パラパラに仕上がります。一方で、しっとり系のチャーハンが好きな方は、あえてラップをかけて加熱してみてもよいでしょう。メーカーの推奨通りに作るのが基本ですが、仕組みを知っておくと、自分の好みに合わせて調整しやすくなります。

 

電子レンジや冷凍食品を活用して日々の食卓をハッピーに!

――電子レンジの調理グッズの中で、タケムラさんが特に「これは取り入れてよかった」と感じるものは何でしょうか?

一番は、100円ショップなどでも購入できる「パスタ茹で器」です。1人分のパスタを作るために大きなお鍋でお湯を沸かす手間が省け、加熱中に目を離せるのも便利なポイントです。

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パスタ茹で器は、1人分のパスタを鍋でお湯を沸かさずに調理できる便利なアイテム(画像素材 / PIXTA)

 

もう一つ重宝しているのは「レンジ用蒸し器」。たとえばポテトサラダ用のジャガイモをお鍋で茹でると、型崩れしたり、茹で汁においしさが逃げたりすることがありますが、蒸し器ならホクホクに仕上げやすくなります。

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野菜を手軽に蒸せるレンジ用蒸し器。ジャガイモもホクホクに仕上がる(画像素材 / PIXTA)

 

最近では、焼き目をつけられるレンジ調理器具なども登場しています。電子レンジは食材に焦げ目をつけるのが苦手ですが、専用の調理器具を活用することで、お肉料理などの仕上がりを高めることもできます。

多くのご家庭で、電子レンジは「買ってきたものやお弁当を温めるだけの機械」になってしまっているかもしれません。けれど、フライパンや鍋と同じ「調理器具のひとつ」として活用できるようになると、料理の幅もぐっと広がるはずです。

 

――最後に、Concent読者へメッセージをお願いします。

電子レンジや冷凍食品の活用は、「手抜き」ではなく、大変な工程を減らす「手間抜き」という賢い選択です。単にラクをするための道具というより、自分の時間や大切な人と過ごす時間を生み出し、暮らしにゆとりをもたらしてくれる手段だと思います。肩の力を抜いて、頼もしい味方と一緒に、毎日のごはん作りをもっと気軽に楽しんでください。

 

【編集後記】
手軽に食べられる冷凍食品にはいつもお世話になっています。今回、時短や栄養価の高さなど、冷凍食材のメリットを改めて実感。電子レンジの加熱ムラをなくす「置き蒸らし」やレンジ用蒸し器といったテクニックはすぐに取り入れたいですね。冷凍食品の保存や調理には家電は欠かせないですが、そんな家電も、AIが搭載されるなどますます便利になっていますね。でも、AIで暮らしが便利になればなるほど、AIを動かすデータセンターでたくさんの電気が必要になります。便利な暮らしを続けながら、安定的に電気を賄っていくにはどうしたらよいのか、一人ひとりが考えていくことが大切ですね。
 

タケムラダイ

冷凍食品マイスター、電子レンジ料理研究家、フードコンサルタント、冷凍食品PR連盟専務。通算3万食以上の冷凍食品を食べた経験を活かし、冷凍食品のプロデュースやアレンジレシピの考案、食品メーカー・飲食店などのメニュー開発を手掛ける。日本一の冷凍食品を決める「ご当地冷凍食品大賞」の審査員代表も務める。主な著書に『レンジがあればなんでもできる!早ワザ・神ワザ・絶品レンチンごはん』『1万食の冷凍食品を食べつくしたプロが考えた!! プラス1食材でバリエーション無限大! 冷凍食品アレンジ神レシピ大全』(ともに宝島社)など。

X:@dai_takemura

Instagram:@dai_takemura010

オフィシャルサイト:https://www.vorpal-et.com/

 

企画・編集=Concent 編集委員会


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