知っておきたい「エネルギー用語集」

2026.03.31

私たちの生活に欠かせないエネルギー。もっとエネルギーのことを知ってもらい、身近に感じてもらえるように情報を発信するサイト「Consent」が、今さら聞けないエネルギーにまつわる用語をピックアップ。基本的なワードから知っておくと便利な専門用語まで解説します!

 

あ行

 S+3E(えすぷらすすりーいー)

日本のエネルギー政策における基本的な考え方。「Safety(安全性)」を大前提とした上で、「Energy Security(安定供給)」「Economic Efficiency(経済効率性)」「Environment(環境適合)」の同時実現を目指すものであり、日本の中長期的なエネルギー政策の基本的方向性を示すエネルギー基本計画もこの考え方に基づいて策定されています。化石燃料などのエネルギー資源に乏しい日本でS+3Eを達成するためには、再生可能エネルギー原子力火力など複数のエネルギーをバランスよく組み合わせて利用するエネルギーミックスが重要です。



エネルギー基本計画(えねるぎーきほんけいかく)

エネルギー政策基本法に基づき、日本の中長期的なエネルギー政策の基本的方向性を示すために政府が策定する計画。「安全性(Safety)」を大前提として、「安定供給(Energy Security)」「経済効率性(Economic Efficiency)」「環境適合(Environment)」を実現するS+3Eの観点を踏まえ、エネルギー需給構造の在り方や電源構成の目標、再生可能エネルギー火力原子力など各電源位置付けなどが整理されており、少なくとも3年ごとに見直されています。2025年に閣議決定された第7次計画では、再生可能エネルギーとともに原子力を「最大限活用する」ことが掲げられ、2040年度の電源構成の見通しとして、再生可能エネルギー:40〜50%程度、原子力:約20%程度、火力:30〜40%程度と示されています。2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素の方向性も明示されており、国の将来像を示す指針として、企業の投資判断や制度設計にも大きな影響を与えています。

 

エネルギー自給率(えねるぎーじきゅうりつ)

国内で消費される一次エネルギー(自然から採取できる化石燃料など)のうち、自国内で確保できる量の比率を示す指標。日本は火力発電などに用いる化石燃料の多くを輸入に依存しており、自給率は15.2%(2023年度)と先進国の中でも低い水準です。国際情勢の変化による化石燃料の価格高騰や供給不安の影響を受けやすい脆弱なエネルギー構造となっています。一方で、再生可能エネルギーは国内で確保できるエネルギー源であり、原子力は燃料を1度装荷すると長期間使用できるため“準国産エネルギー”として扱われていることから、これらの利用は自給率向上に寄与します。自給率は数値的な指標にとどまらず、経済活動や安全保障とも深く関わるため、政策上の重要テーマとされています。

 

エネルギーミックス

再生可能エネルギー火力原子力など、電力の供給源として複数のエネルギーをバランスよく組み合わせて利用すること。電源にはそれぞれ長所と短所があるため、電源ごとの特性を理解した上で、電源構成比を決めることが、電力の安定供給や脱炭素化、コスト最適化に不可欠です。

<第7次エネルギー基本計画におけるエネルギー需給の見通し>

エネルギーミックス画像

出典:資源エネルギー庁資料を基に作成

 

オイルショック

1970年代に中東での戦争などにより原油供給の急減と価格高騰が起き、世界経済に多大な影響を及ぼした出来事。特に1973年の第一次オイルショックは、日本に深刻な影響を与え、エネルギーの安定供給が重要視されるようになりました。当時の日本は中東産の原油に大きく依存しており、価格急騰によって物価上昇や経済停滞が生じました。この経験から、日本は、石油に代わるエネルギーとして、原子力火力(石炭・天然ガス)の開発・導入を進め、電源の多様化を図るとともに、省エネルギー技術の開発に取り組んできました。現在においても、国の政策に生かされるエネルギー安全保障の教訓となっています。

 

温室効果ガス(おんしつこうかがす)

地表から放出される赤外線を吸収し、再び地表へ向かって放射する性質を持つガスの総称。代表的なものに二酸化炭素(CO₂)、メタンなどがあり、本来は地球の平均気温を維持する役割を果たしています。しかし、人為的な排出量の増加によって気温上昇を引き起こす可能性が示唆され、特に化石燃料の燃焼に伴うCO₂の排出が地球温暖化の主要因とされています。日本では発電などエネルギー起源のCO₂が国内排出量の大半を占め、産業、運輸など部門別に削減対策が進められています。

 

 

か行

カーボンニュートラル

地球温暖化を防ぐため、人為的に排出される二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの量と、吸収・除去される量を均衡させ、全体としての温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする考え方。排出量を削減するだけでなく、森林吸収やCCS/CCUSなどの技術的手段を活用する点が特徴です。日本は2050年までのカーボンニュートラル実現を目標に掲げ、電力分野では再生可能エネルギー原子力発電の最大限活用、火力発電の脱炭素化、産業分野では省エネルギーの徹底や燃料転換が進められています。企業活動でも経営戦略の一部として位置付けられ、エネルギー選択や投資判断に影響を与えています。

 

核融合(かくゆうごう)

水素などの軽い原子核同士が融合する際に生じる莫大なエネルギーを利用する技術。太陽がエネルギーを生む仕組みと同じ原理で、理論上は二酸化炭素を排出せず、海水からも燃料を得られるなど豊富な資源を利用できることから「夢のエネルギー」と呼ばれています。極めて高温・高圧状態を維持させる必要があるため技術的ハードルが非常に高いものとなっていますが、核分裂を利用する現在の原子力発電とは異なり、温度を下げたり燃料の供給を止めたりすることで反応が自然に停止します。日本は、国際熱核融合実験炉(ITER)計画の中核メンバーとして研究開発を進めており、実用化には時間がかかるものの地球温暖化対策やエネルギー多様化に向けた重要技術として期待されています。

 

化石燃料(かせきねんりょう)

石炭、石油、天然ガスなど、太古の生物の死骸が地中で長い年月をかけて変化し、エネルギー資源となったものの総称。高いエネルギー密度と安定した供給特性を持ち、18世紀半ば~19世紀にかけて起こった産業革命以降の経済発展を支えてきました。日本のエネルギー供給は化石燃料への依存度が高く、そのほとんどを輸入に頼っています。そのため、国際価格の変動や地政学リスクの影響を受けやすく、エネルギー安全保障上の課題とされています。また、燃焼時に二酸化炭素を排出するため、地球温暖化の要因の一つとされています。そのため、国際的に依存低減(脱炭素化)の流れが加速しており、日本でも重要な政策課題となっています。

 

火力発電(かりょくはつでん)

石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料を燃焼させ、その熱エネルギーにより発生させた蒸気でタービンを回して発電する方式。発電時に二酸化炭素(CO₂)を排出するという課題はありますが、一方で、電力の安定供給を支える基幹的電源(2023年度の日本の電源構成において約7割を占めている)としての役割や、再生可能エネルギーの出力変動を補うバックアップ(調整力)電源としても重要な役割を担っています。日本では、火力発電の脱炭素・低炭素化に向け、高効率化技術の導入や、燃料の転換(水素・アンモニア混焼)といった対策が検討されており、脱炭素と安定供給を両立するための技術革新が進められています。

 

原子燃料サイクル(げんしねんりょうさいくる)

原子力発電の使用済燃料を処理し、再び燃料として利用する仕組み。使用済燃料の中には、核分裂していないウランや、原子炉内で生まれたプルトニウムが含まれており、これらを再処理して取り出し、燃料として再利用することで資源の有効活用を図ります。また、この再処理により、最終処分する高レベル放射性廃棄物の量の大幅な削減にもつながります。エネルギー資源に乏しい日本において、エネルギー自給率の向上と同時に放射性廃棄物の削減につながる取組である一方、社会的理解が不可欠な政策分野となっています。

 

原子力発電(げんしりょくはつでん)

火力発電化石燃料を燃やした熱で蒸気タービンを回して発電するのに対し、原子力発電は、ウラン燃料の核分裂反応で生じる熱で蒸気タービンを回して発電します。他の発電方式に比べ、少量の燃料で大きな電力を生み出せる特徴があります。また、発電時に二酸化炭素を排出しないため、地球温暖化対策の観点でも期待されています。一方、事故時の影響や放射性廃棄物の処理など特有の課題も抱えています。日本では2011年の福島第一原子力発電所の事故以降、安全規制が強化され、現在は世界でも極めて厳しいとされる新規制基準に適合した発電所のみが稼働しています。国は電力の安定供給と脱炭素化の両立を背景に、原子力発電を最大限活用することを掲げています。

出典:日本原子力文化財団「エネルギー・図面集」

 

COP(こっぷ)

「Conference of the Parties(国連気候変動枠組条約締約国会議)」の略称で、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に基づいて開催される最高決定機関。中国、インド、ロシア、EUなど主要排出国を含む世界のほぼ全ての国と地域が参加しています。1995年の第1回開催以降、地球温暖化対策の国際的枠組が議論されてきました。2015年のCOP21では「パリ協定」が採択され、温室効果ガスの排出削減について国際目標が掲げられました。近年のCOPでは再生可能エネルギーの拡大や化石燃料からの転換が主要議題となり、合意内容は各国のエネルギー政策や企業の事業戦略にも大きな影響を与えています。

 

 

さ行

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)(さいえねふかきん)

再生可能エネルギー(再エネ)の普及を支えるために、電気利用者が電気料金の一部として負担する費用のことで、全国の家庭や企業が広く負担しています。日本では、太陽光や風力などで発電した電気を電力会社が固定価格で買い取る「固定価格買取制度(FIT)」に基づき、この費用が賦課金として徴収されていますが、再エネの導入拡大に伴い賦課金総額は増加し、電気料金上昇の要因となっています。再エネ賦課金が導入された当初は、再エネの普及拡大を支え、技術進歩とコスト低減を促してきましたが、近年では、再エネの発電コスト低下が進んだことから、制度の役割も変化してきています。

 

再生可能エネルギー(再エネ)(さいせいかのうえねるぎー)

太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど、自然界に存在し枯渇せず持続的に利用可能なエネルギーの総称。石炭や石油といった化石燃料とは異なり、発電時に温室効果ガスを排出しない、または排出量が極めて少ないことから、地球温暖化対策の柱と位置付けられています。日本では2012年に創設された固定価格買取制度(FIT)の導入を背景に、太陽光発電を中心に導入が拡大しました。一方、天候や自然条件に左右されやすく、発電量が変動するという点や、導入拡大に伴う電力系統(発電所から家庭や企業などに電力を供給するための送電線など)の整備が必要といった課題があります。

 

CCS・CCUS(しーしーえす・しーしーゆーえす)

CCSは「Carbon dioxide Capture and Storage(二酸化炭素の回収・貯留)」の略で、発電所や工場などから排出される二酸化炭素(CO₂)を分離・回収し、地中深くに貯留する技術であり、地球温暖化の進行を防ぐ有効な手段として位置づけられています。CCUSはこれに「Utilization(利用)」を加え、回収したCO₂を燃料や化学製品の原料として活用する技術のこと。CCS、CCUSは、化石燃料を完全に排除できない産業分野で、カーボンニュートラル実現に向けCO₂排出削減を図る手段として注目されています。日本では北海道苫小牧市での大規模実証により海底下貯留の技術的妥当性が示されました。鉄鋼やセメントなどCO₂排出削減が難しい分野での重要性は高い一方、CO₂回収の効率性や、事業採算性などの課題も残されています。

 

新規制基準(しんきせいきじゅん)

2011年の福島第一原子力発電所の事故の反省や国内外の最新知見を踏まえ、2013年に策定された原子力発電所の安全性を審査する新しい規制基準。主に、地震や津波対策が強化されたほか、火山や竜巻などの自然災害、火災など幅広いリスクに備えるための基準が強化されました。また、従来電力会社の自主対策として実施していた重大事故対策やテロ対策が新設され、放射性物質の拡散抑制や意図的な航空機衝突を踏まえた対策などが求められています。新設の原子力発電所だけでなく、停止している既存の原子力発電所の再稼働にもこの基準に適合することが求められます。

 

ゼロエミッション

人間が行う事業や経済活動に伴って排出される廃棄物や温室効果ガスなどの排出物(エミッション)を可能な限り削減し、排出そのものをゼロとする考え方。大量生産・大量消費・大量廃棄が進む社会を背景に、持続可能な社会の形成を目指して1994年に国連大学が提唱しました。関連する概念としてカーボンニュートラルがありますが、こちらは排出した温室効果ガスを森林吸収や技術的回収で相殺し、差し引きでゼロにすることを目指す考え方です。

 

 

た行

脱炭素社会(だつたんそしゃかい)

二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出量を削減し、森林などによる吸収量を差し引いて「実質ゼロ」とすること(カーボンニュートラル)を目指す社会の姿。排出削減だけでなく、産業構造や暮らしの仕組みを転換する点が特徴で、日本では実現に向けて「再生可能エネルギー原子力発電の最大限活用」「火力発電の脱炭素化」「省エネルギーの徹底」「電化の推進」などが進められています。しかし、化石燃料依存からの転換は容易ではないため、産業や雇用への影響にも配慮しながら段階的な移行が重視されています。

 

脱炭素電源(だつたんそでんげん)

発電時に二酸化炭素をほとんど排出しない、あるいは極めて排出量が少ない電源の総称。太陽光や風力などの再生可能エネルギー原子力発電が該当するほか、将来的には水素やアンモニアを燃料とした火力発電も脱炭素電源となる可能性があります日本では脱炭素電源の拡大が政策課題となっていますが、電力の安定供給やコストとのバランスが重要です。

 

地球温暖化(ちきゅうおんだんか)

大気中の温室効果ガスが増えた結果、地球全体の平均気温が長期的に上昇すると考えられている現象。現在、世界の平均気温は産業革命以前と比べて1.4~1.5℃ほど高くなっており、気温上昇によって異常気象の頻発や海面上昇、生態系への影響が引き起こされていると指摘されています。日本でも猛暑日や豪雨の増加が観測され、農業や防災、エネルギー需要に影響が出ています。温暖化対策としては温室効果ガスの排出削減が不可欠であり、日本でも脱炭素政策と防災・国土強靱化策の両面から対応が進められています。

 

調整力(ちょうせいりょく)

発電量や消費量の変動に応じて、電力の供給と需要を瞬時にバランスさせる能力のことで、電力の安定供給を維持するために不可欠であり、電気の品質である周波数を一定に保つ役割を果たします。近年、導入が拡大した再生可能エネルギーは天候や季節によって出力が変動するため、需給が不安定になりやすく、調整力が重要になります。従来は、火力発電が主に調整力を担ってきましたが、蓄電池やデマンドレスポンス(電気を使用する側が需給変動に応じて需要を上げ下げする仕組み)など、多様な手段で調整力を確保する取り組みが進められています。

 

データセンター

サーバーや通信機器を集中的に設置し、データ処理や保管を行う施設。クラウドサービスや生成AIの普及により、世界的に需要が高まっています。大量の計算処理や設備の冷却などに膨大な電力を要し、それらの電力は安定的に供給されることに加え、カーボンニュートラル実現などの観点から、脱炭素電源で確保することが求められています。日本では、データセンター急増に伴う電力需給への影響を踏まえ、高効率空調や脱炭素電源の活用、脱炭素電源の近接地へのデータセンター立地や、オンサイト発電(設備敷地内での自家消費発電)・蓄電池の導入なども検討されています。データセンターはITインフラであると同時に、電力システムと密接に結びついた存在です。

 

同時同量(どうじどうりょう)

電力の消費量(需要量)と発電量(供給量)は、常に一致させなければならないという電力需給システムの基本原則。電気は大量に貯蔵することが難しく、消費量と発電量のバランスが崩れると周波数が乱れ、大規模停電(ブラックアウト)を引き起こす可能性があります。このため、電力会社は電気の需要予測に基づき、発電量を細かく調整してきました。近年では、天候や自然条件により発電量が変動する再生可能エネルギー(太陽光、風力など)の拡大に伴い、リアルタイムでの調整が難しくなっている側面もあります。これに対応するため、蓄電池やデジタル技術などの活用が進められています。

 

 

は行

パリ協定(ぱりきょうてい)

2015年12月のCOP21で採択された国際的な気候変動対策の枠組み。世界の平均気温上昇を抑制することを目的とし、全ての締約国(2025年時点で198の国・地域)が温室効果ガスの排出削減に取り組む点が特徴です。主な目標として、「世界の平均気温上昇を産業革命前から2℃より十分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求する」ことが掲げられました。この指針のもと、各国は自国の温室効果ガス削減目標や対策を設定したうえで、5年ごとの見直し・更新が義務付けられています。日本はパリ協定に基づき、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする(カーボンニュートラル)長期目標を掲げました。その目標達成に向け、2030年度には温室効果ガスの排出量を2013年度比で46%削減、2035年度には同年比で60%削減、2040年度には同年比で73%削減することを表明し、実現に向けた施策をエネルギー政策や産業政策に反映しています。



ヒートポンプ

空気や水、地中にある少ない電力で熱を移動させて利用する技術。移動のために投入する電力以上の熱エネルギーを得られる高効率性が特徴です。日本では、エアコンや給湯器「エコキュート」(大気熱で湯を沸かす給湯システム)で広く家庭に普及しており、特にエネルギー消費が大きい給湯分野は化石燃料の燃焼からヒートポンプへの転換が脱炭素化への方法の一つと考えられています。再生可能エネルギー由来の電力と組み合わせることで、脱炭素化を推進する重要技術として期待されており、電化による省エネルギー対策の中核技術として位置付けられています。

<ヒートポンプの仕組み>

ヒートポンプ画像

出典:ヒートポンプ蓄熱センターホームページ

 

FIT・FIP(ふぃっと・ふぃっぷ)

FITは「Feed-in Tariff(固定価格買取制度)」の略称で、再生可能エネルギーで発電した電力を国が定めた価格で一定期間、電力会社が買い取ることを義務付けた制度。買取に要する費用は、再エネ賦課金として全国の電気利用者が負担します。日本では2012年に本格運用が始まり、事業者の投資予見性が高まったことで太陽光発電の急拡大をもたらしました。一方で普及が進むにつれて、国民負担の増加や市場原理が働きにくい点が課題として指摘されるようになりました。これを踏まえ2022年度から本格運用が開始されたのがFIP(Feed-in Premium)です。FIPは、発電事業者が卸電力市場に市場価格で電力を売ると一定の補助額(プレミアム)が上乗せされる制度です。事業者に市場を意識させる仕組みで、再エネと電力市場の統合を進める狙いがあります。

 

分散型電源(ぶんさんがたでんげん)

電気を消費する需要地の近くに設置される小規模な発電設備。太陽光・風力発電、蓄電池、コージェネレーション(熱電併給システム:ガスなどで発電し、電気と熱を同時に供給する高効率エネルギーシステム)などが含まれ、大規模発電所から送電する従来の集中型電源に対し、ある地域ごとに分散して電源を持つ点が特徴です。再生可能エネルギーの普及や大型自然災害の頻発から重要性が高まっています。制度面では、災害時の電力確保やエネルギーレジリエンス(災害等でエネルギー供給の障害が発生した際に、迅速に復旧して被害を最小限に抑える能力)の向上に寄与する一方、電力系統(発電所から家庭や企業などに電力を供給するための送電線など)との接続や運用ルールの整備が課題となっています。

 

ペロブスカイト太陽電池(ぷろぶすかいとたいようでんち)

軽量で柔軟性が高く、低コストでの製造が可能とされる次世代型太陽電池。ペロブスカイト構造という結晶構造を持つ材料を用いており、従来のシリコン型では難しかった建物の壁面や曲面、耐荷重の小さい屋根への設置ができると期待されています。日本は世界的にも研究開発の先進国として位置付けられているため、地理的条件などから太陽光発電の適地が限られている日本においては、再生可能エネルギー拡大の切り札の一つとして期待されています。その一方で、耐久性や量産技術など実用化に向けた課題も残されています。

 

放射性廃棄物(ほうしゃせいはいきぶつ)

原子力発電のほか研究や医療などの過程で発生する放射性物質を含む廃棄物。日本では、放射能の程度により「低レベル放射性廃棄物」と「高レベル放射性廃棄物」に分類されます。低レベル放射性廃棄物は、原子力発電所の運転や解体に伴い発生する金属などの廃棄物で、高レベル放射性廃棄物は使用済みの燃料を再処理した後に残る廃液をガラスで固めた「ガラス固化体」が該当します。国内では法律に基づき、高レベル放射性廃棄物は地下300メートル以上に埋設し、長期間保管する「地層処分」を基本方針としています。

 

放射線・放射能(ほうしゃせん・ほうしゃのう)

放射線は原子核の変化などによって放出されるエネルギーの流れで、電磁波(X線やガンマ線)や粒子線(アルファ線やベータ線)の形で空間を伝わります。一方、放射能とは放射線を放出する性質や能力そのものを指します。放射線は自然界にも広く存在しており、宇宙線や地中の放射性物質から日常的に放射線を受けています。また、医療分野ではX線検査や放射線治療などに活用されて、診断や治療に欠かせない技術となっています。一方、高線量の放射線被ばくは健康影響が懸念されるため、日本では国際基準を踏まえた被ばく基準が採用され、原子力施設や医療現場などで管理が徹底されています。

放射線・放射能画像

出典:日本原子力文化財団「エネルギー・図面集」